Googleマップの航空写真を営業リストに使ってよいか
結論
Google Maps Platform の規約では、コンテンツを機械学習・AIモデルの訓練やテストに使うこと、衛星写真から建物の輪郭をトレースすること、キャッシュ保存することが明確に禁止されています。営業リストの自動作成に使う行為はこれらに該当します。国土地理院の航空写真は、出典を明示すれば商用利用できます。
Googleマップの航空写真は、無料で見られて、多くの場所で国土地理院の写真より鮮明です。 では営業リストの作成に使ってよいのか。結論は「人が見るのはよい、自動で解析するのは駄目」です。 規約のどこにそう書かれているかを整理します。
まず、線引きはここです
| やること | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 画面を開いて、人が屋根を見る | 通常の利用 | そういうサービスです |
| 営業担当が現地に行く前に、スマホで開いて確認する | 通常の利用 | 同上 |
| 画像を保存して社内で共有する | できない | キャッシュ・保存の禁止 |
| 画像をAIに解析させて判定する | できない | AIモデルへの利用の禁止 |
| 衛星写真をなぞって建物の輪郭を作る | できない | トレースの禁止 |
| 画像を自動で取得して蓄積する | できない | スクレイピングの禁止 |
Google Maps Platform の規約に書かれていること
Google Maps Platform の利用規約には、サービスの不正利用を禁じる条項があり、そこに次の趣旨の制限が並んでいます。
①コンテンツを自動で取得しないこと(スクレイピングの禁止)
APIを通さずに、あるいは許可された範囲を超えて、コンテンツを自動的に取得・抽出することが禁止されています。 タイル画像をプログラムで大量に取得する行為はここに当たります。
②コンテンツを保存しないこと(キャッシュの禁止)
コンテンツの保存は、原則として認められていません。 一部に例外はありますが、画像を保存して社内のサーバーに置く、という使い方は含まれません。
③コンテンツから別のコンテンツを作らないこと(トレースの禁止)
衛星写真や航空写真をなぞって、建物の輪郭や道路のデータを作ることが明確に禁止されています。 「元の画像は使っていない、輪郭のデータだけだ」という言い分は通りません。
④機械学習・AIモデルに使わないこと
コンテンツを機械学習モデルやAIモデルの訓練・テスト・改善に用いることが禁止されています。 営業リストの自動判定は、まさにこの用途にあたります。
規約は改定されます。ここに書いたのは2026年8月時点で確認した内容の要旨です。 実際に業務で使う前には、Google Maps Platform の利用規約とサービス固有の追加条項をご自身でご確認ください。 この記事は法的助言ではありません。
「うちは人が見ています」でも、気をつける点
人が画面を見て判断するのは通常の利用です。ただし、その結果をどう扱うかで話が変わることがあります。
| やり方 | 考え方 |
|---|---|
| 画面を見て、住所を手で控える | 通常の利用の範囲 |
| 画面のスクリーンショットを撮って、リストに貼る | コンテンツの保存にあたります |
| スクリーンショットをAIに読ませる | 保存とAI利用の両方に該当します |
「人が見ているから大丈夫」と考えて、途中から自動化していくと線を越えます。 どこで機械が画像に触れるかで判断するのが分かりやすいと思います。
では、何を使えばよいのか
国土地理院の地理院タイル
出典を明示すれば、商用利用できます。全国をカバーしていて、無料です。
表示は「出典:国土地理院(地理院タイル)」のように書きます。加工した場合は、その旨も併記します。 詳しくは国土地理院の航空写真は商用利用できるかに書きました。
ただし地上解像度は1画素0.48mです。住宅用のパネル1枚(約1.65m×1.0m)は3.4画素にしかならず、 濃い色の屋根材と区別できません。
自治体が公開している高解像度の航空写真
一部の自治体が、公共測量成果をオープンデータとして公開しています。 多くはクリエイティブ・コモンズ表示(CC BY 4.0)で、出典を書けば商用利用できます。
出典:国土地理院 地理院タイル/犬山市 公共測量成果(CC BY 4.0)
実測で見つかった地域です。
| 地域 | 地上解像度 |
|---|---|
| 京都府(府域の広い範囲)/大阪市/東京都練馬区 | 0.24m |
| 兵庫県姫路市・朝来市/鹿児島市 | 0.24m |
| 愛知県犬山市/滋賀県長浜市 | 0.24m |
| 上記以外の全国 | 0.48m(地理院タイル) |
合計で約536万人、日本の人口の4.3%です。東京都内で該当するのは練馬区だけでした。
民間の航空測量会社から購入する
地上解像度20cm〜5cmの航空写真(オルソ画像)を販売している会社があります。 有償ですが、利用範囲は契約で決まるので、事業に使えることがはっきりします。
建物の輪郭データはどうするか
「エリアの中の家を1棟ずつ拾う」には、建物の輪郭データが要ります。 Googleマップの写真からトレースするのは禁止されているので、別の出どころが必要です。
国土地理院が「地理院地図Vector」として、建物の輪郭を無料・商用可で公開しています。 実測では、610メートル四方の範囲ひとつから438棟の建物が取れました。
これを使えば、地図サービスの写真をなぞる必要はありません。
まとめ
- Googleマップの航空写真は、人が見るぶんには通常の利用
- 保存・自動取得・トレース・AI解析は規約で禁止されている
- 営業リストの自動作成に使うなら、地理院タイルか自治体のオープンデータか購入した写真
- 建物の輪郭は地理院地図Vectorから取れる(無料・商用可)
ソーラーリストは、地理院タイル・自治体のオープンデータ・地理院地図Vectorだけを使っています。 地図サービスの画像を解析することはありません。
よくあるご質問
Googleマップの航空写真をAIで解析してもよいですか
Google Maps Platform の利用規約では、コンテンツを機械学習モデルやAIモデルの訓練・テスト・改善に使うことが禁止されています。営業リストの自動判定はこれに該当します。
画面を見て人が判断するのは問題ありませんか
通常の閲覧は想定された使い方です。禁止されているのは、自動的な解析、輪郭のトレース、コンテンツの保存・再配布といった行為です。
代わりに使える航空写真はありますか
国土地理院の地理院タイルは、出典を明示すれば商用利用できます。また一部の自治体が、より高い解像度の航空写真をオープンデータとして公開しています。
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