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営業リストは買うべきか、作るべきか ― 太陽光の場合

2026-08-14 ASI株式会社

結論

太陽光の営業リストには「名簿を買う」「人手で航空写真を見てもらう」「自動判定で作る」の3つがあります。名簿は個人情報保護法の確認記録義務がかかり、人手は1件あたりの単価が高く更新できません。自動判定は精度が航空写真の解像度に左右されますが、更新でき、記録が会社に残ります。

太陽光の営業リストを手に入れる方法は、大きく3つです。 この記事では、費用・精度・法的リスク・更新できるかの4点で並べて比べます。 自分たちが作っているのは3つ目なので、そこは差し引いて読んでいただければと思います。

3つの方法

①名簿を買う②人手で作ってもらう③自動判定で作る
中身氏名・住所・電話番号など航空写真を人が見て拾う建物データ+航空写真を機械が判定
費用の形1件いくら(買い切り)1件いくら(作業単価)月額
太陽光の有無分からない分かる分かる(解像度次第)
更新できないまた頼む何度でもできる
法的リスク確認記録の義務があるほぼないほぼない
記録が残るか残らない残らない残る(仕組み次第)

①名簿を買う

何が手に入るか

氏名・住所・電話番号などが入ったリストです。属性(築年数、世帯年収の推計など)が付くものもあります。

太陽光の営業では、致命的な弱点があります

「その家に太陽光が付いているか」が分かりません。 これは名簿屋が悪いのではなく、そういうデータが世の中にないからです。 資源エネルギー庁のFIT公表データも市区町村単位までで、個別の住所は公開されていません。

つまり名簿を買っても、結局1軒ずつ航空写真で確認する作業は残ります。

法的な確認義務

個人情報保護法では、第三者から個人データの提供を受けるとき、 提供元が適法に取得したことを確認し、それを記録する義務があります(第30条)。 この確認記録がないと、購入した側も義務違反に問われます。

記録に残すのは、提供元の名称と代表者名・住所、提供を受けた年月日、データの項目、 提供元がそのデータを取得した経緯です。原則3年間の保存が必要です。 詳しくは名簿を買って訪問営業しても大丈夫かに書きました。

向いている場合

電話営業やDMを併用する場合です。氏名と電話番号は、訪問だけなら要りません。

②人手で作ってもらう

何が手に入るか

「このエリアで太陽光が載っていない家の住所リスト」です。 作業者が航空写真を1軒ずつ拡大して拾います。

費用の考え方

1エリア(200〜500軒)で半日、という作業量です。実測した2エリアは462棟と380棟でした。 時給に換算すれば、1件あたりの単価が出ます。

弱点は「更新できないこと」

これが最大の問題です。 同じエリアを翌年また回るとき、また同じ費用がかかります。 そして「去年ここは断られた」という情報は、リストには入っていません。

もうひとつの弱点は、精度がばらつくこと

人が見ても、写真の解像度が足りなければ見えません。 国土地理院が全国で公開している写真は1画素0.48mで、パネル1枚は3.4画素にしかなりません。 この解像度では、誰が見ても濃い色の屋根材と区別できません。

同じ家を0.48mと0.24mの航空写真で並べた比較
左が全国で無料の写真(1画素0.48m)、右が自治体が公開している写真(1画素0.24m)。同じ家です。
出典:国土地理院 地理院タイル/犬山市 公共測量成果(CC BY 4.0)

③自動判定で作る

何が手に入るか

建物1棟ずつの位置と、太陽光の有無です。氏名や電話番号は含みません。

氏名を含まないので個人情報には当たりません。訪問先を決めるだけなら、これで足ります。

実測した精度

エリア建物自動判定人が見直した後
なし要確認ありなしあり
愛知県犬山市犬山462棟438棟19棟5棟458棟4棟
京都府宇治市広野町380棟374棟6棟0棟380棟0棟

自動判定は犬山で5棟を「あり」としましたが、人が拡大して見直すと本物は2棟で、 代わりに「要確認」の中から2棟の本物が出ました。 自動判定だけで完結はしません。要確認を人が片付ける工程が要ります。

どちらも1画素0.24mの写真が使える地域です。 0.48mしか使えない地域では、精度がはっきり落ちます。これは隠しても仕方がないので書いておきます。

弱点

強みは「更新できること」と「記録が残ること」

同じエリアを何度でも判定し直せます。 そして訪問した結果——不在だったのか、断られたのか、見込みがあるのか——を同じ地図に残せます。

この2つ目が実は大きくて、断られた家への再勧誘は特定商取引法第3条の2で禁止されています。 記録が担当者個人のメモにしかないと、会社としてこれを守れません。

費用の比べ方

1回きりの費用で比べると、名簿を買うのが安く見えることが多いです。 ただし太陽光の営業では、次の点を含めて考える必要があります。

  1. 名簿には太陽光の有無が入っていないので、結局1軒ずつ確認する作業が残る
  2. 同じエリアを翌年また回るなら、その都度費用が発生する
  3. 訪問結果が残らないので、翌年また一から始めることになる

逆に、1つのエリアを1回だけ回って終わりという使い方なら、 月額のツールを契約する意味は薄いと思います。この場合は人に頼む方が合理的です。

まとめ ― 選び方

こういう場合向いている方法
電話営業やDMも併用する①名簿を買う
1エリアを1回だけ回って終わり②人手で作ってもらう
同じ地域を継続的に回る/担当者が複数いる③自動判定で作る
断られた家の記録を会社に残したい③自動判定で作る

よくあるご質問

営業リストを買うのと作るのはどちらが安いですか

1回だけなら買う方が安いことが多いですが、名簿は更新できず、同じ地域を翌年また回るときにもう一度買うことになります。自動判定は初期の作り込みが要る代わりに、同じ地域を何度でも更新できます。

名簿を買うときの法的なリスクは何ですか

個人情報保護法では、第三者から個人データの提供を受けるとき、提供元が適法に取得したことを確認し記録する義務があります。この記録がないと、購入した側も責任を問われます。

氏名のないリストなら問題ありませんか

氏名や連絡先を含まず「建物の位置と屋根の状態」だけであれば、個人情報には当たりません。訪問先を決めるためのリストとしては、これで足ります。

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