太陽光の訪問販売で、下調べにかかっている時間の話
結論
訪問販売の下調べは、地図を開く・1軒ずつ拡大して屋根を見る・住所を控える・担当者ごとに分ける・結果をまとめる、の5工程です。1エリア200〜500軒で半日ほどかかります。この作業は行き先を生みますが、記録は担当者個人に残るため会社には蓄積されません。
訪問販売の会社に話を聞くと、ほぼ必ず出てくるのが「下調べに時間がかかる」という話です。 この記事では、その作業を工程ごとに数え、実際に自動化したらどうなったかを実測値で書きます。
下調べの5工程
| 工程 | 何をしているか | |
|---|---|---|
| 1 | 地図を開く | 担当エリアを表示し、端から順に見る準備をする |
| 2 | 1軒ずつ拡大する | 屋根にパネルが載っているかを見る |
| 3 | 住所を控える | パネルがなければ住所を書き取るか、地図にピンを打つ |
| 4 | 割り振る | 担当者の人数ぶんに分ける |
| 5 | 結果をまとめる | 帰社後に、回った結果を集める |
1エリア(200m四方で200〜500軒)ぶんで半日ほどかかる、という話をよく聞きます。
実際、何軒あるのか
「1エリア」の実体を数えました。国土地理院の建物データから、実際に検出された数です。
| エリア | 検出した建物 | うち戸建て |
|---|---|---|
| 愛知県犬山市犬山 | 486棟 | 462棟 |
| 京都府宇治市広野町 | 408棟 | 380棟 |
462棟を1軒10秒で見ても77分です。 実際には拡大・スクロール・住所の書き取りが入るので、1軒30秒として3時間50分。半日という感覚は誇張ではありません。
さらに、建物の全部が訪問先になるわけではありません。全エリア合計2,635棟の内訳です。
| 種別 | 棟数 | 割合 |
|---|---|---|
| 戸建て | 2,076棟 | 78.8% |
| 集合住宅と思われるもの | 46棟 | 1.7% |
| その他(倉庫・車庫・工場など) | 513棟 | 19.5% |
2割は倉庫や車庫です。この選別も、目で見て判断しています。
工程ごとに、何ができるか
| 工程 | 機械にできるか | 補足 |
|---|---|---|
| 1. 地図を開く | できる | 住所から範囲を決める |
| 2. 屋根を見る | できる | ただし写真の解像度に左右される |
| 3. 住所を控える | できる | 建物の位置は元データに入っている |
| 4. 割り振る | できる | 画面上で担当者に割り当てる |
| 5. 結果をまとめる | 仕組みが要る | 現場で入力できないと結局手作業になる |
自動化した結果
愛知県犬山市の1エリアを、住所を入れるところから最後まで無人でやってみました。
| 判定 | 棟数 | 割合 |
|---|---|---|
| パネルなし(営業対象) | 438棟 | 94.8% |
| 要確認(別枠。人が見る) | 19棟 | 4.1% |
| パネルあり(対象外) | 5棟 | 1.1% |
人が画面の前で待つ必要はありません。依頼して、他の作業をしている間に終わります。
ここで大事なのは「要確認」を別枠にしていることです。 この19棟を「なし」に混ぜれば457件のリストになり、数字は良く見えます。 ただし混ぜた瞬間に、その19軒に行く担当者が「もう付いてます」と言われる可能性を抱えます。
この作業が生んでいないもの
下調べが生んでいるのは「行き先のリスト」です。生んでいないのは会社の資産です。
| 作業の結果 | どこに残るか | 担当者が辞めたら |
|---|---|---|
| 訪問先のリスト | 紙・エクセル | 残る(ただし古くなる) |
| 誰がどこを回ったか | 担当者のメモ | 消える |
| 断られたのか不在だったのか | 担当者の記憶 | 消える |
| 次に行くべきタイミング | 担当者の感覚 | 消える |
そして、法律上の問題もあります。 断られた相手への再勧誘は特定商取引法第3条の2で禁止されています。 誰に断られたかを会社が把握していなければ、守ろうとしても守れません。
下調べを自動化するとき、確認すること
- どの航空写真を使っていますか(提供元と地上解像度)
- 私たちの営業エリアで、その写真は使えますか
- 撮影年度は分かりますか
- 判定できなかった建物は、どこに入っていますか
- 訪問した結果を、現場から入力できますか
5番目が抜けていると、5工程目が手作業のまま残ります。 そうなると「下調べは速くなったが、報告の手間は変わらない」という状態になります。
よくあるご質問
下調べの5工程とは何ですか
地図を開いて担当エリアを表示する、1軒ずつ拡大して屋根を見る、パネルがなければ住所を控える、担当者の人数ぶんに割り振る、回った結果を帰社後にまとめる、の5つです。
どの工程が自動化できますか
2番目(屋根を見る)と3番目(住所を控える)は自動化できます。4番目(割り振り)と5番目(結果をまとめる)は仕組みが要りますが、これも画面上でできます。
自動化すると1エリアどれくらいで終わりますか
実測では462棟のエリアが無人で完了しました。人が待つ必要はなく、依頼して他の作業をしている間に終わります。
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